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書評

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作品名

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評価


0 投げ銭:


   ★★ 総合評価:
      星平均:
   ★★ タイトル:
   ★★ キャラクターの魅力:
      書き出し:
   ★★ 中盤:
   ★★ 終盤・結末:
   ★★ 読みやすさ・リズム:
   ★★ 文体の美しさ・描写力:
   ★★ 感動(涙):

総評

「誰からも好かれる」魔法というのは一見するとすごく幸せに思うけれど、その裏に危険をはらんでいて好かれるから物事すべてがプラスに働くわけではないのですね。着眼点と物語の運びは面白いと思いました。しかし16の初対面のアサミに声をかけて飲み屋で話を聞く場面など「え?現実でそうなるかなあ?」と感じたり、会話文が少し不自然(文語体寄り)になっていて《例:7夜 58ページの「まゆみとよんで」の部分。日常でそういう喋り方をするのは不自然では?「まゆみ」と名前だけを答えたり「まゆみって呼んで」のほうが自然かなという印象です》物語の繋げ方が粗削りというか強引かなと思うところがありました。そういった場面に対し、よりリアルに細かな表現を追加することで読み手にも深く刺さりやすいのではないでしょうか? 佐賀国の件、物語の大きなウエイトを占めるのでは?と期待していただけにあまり重要ではなかったようなので(佐賀県出身として)少し残念でした。その部分が多少難解だったので「同い年の子が総理大臣になる」=「ありえないことが起こった」という杜夫を動かす上での重要な出来事だと思いますがもうすこしシンプルな出来事の方が読み手は混乱しないのではないかと感じます。


タイトル・あらすじ

初見の時点ではもし本屋に並んでいたら気になって手に取るようなタイトルだと感じていました 。私の中で 、本のタイトルって読み初めの段階では真意が分からなくて読み進めていく中で(タイトルの意味ってこういうことなのかも)や、ラストで全てが繋がったりして(ああ!これがタイトルの意味か!しっくりきた!)と読者の解釈をサポートする意味も持っているのではないかと思います。 しかし、この小説ではかなり序盤の方でタイトルと同じワードが使われているため、別のタイトルを考えたほうが良いのでは?と感じました。


ストーリー・設定

全体的なストーリー・設定としては面白さを感じましたが、登場人物たちの魔法に対する理解力ありすぎない?と疑問がありました。杜夫とユーマの信頼関係の中ではアリだと思います。しかし赤の他人にいきなり「魔法使いです」とカミングアウトする場面が複数あり、物語の中でその人物たちとのやり取りが際立ってぶつ切りで強引に感じたのでもう少しディテールをかけて描いてみてはどうでしょうか?


キャラクターの魅力

北司伊馬という名前が主要キャラにも関わらず漢字の読みが難しくて頭に残りづらいと思います。ほとんど『ユーマ』という愛称で呼ばれるので良いのですが44ページで杜夫が皮肉を込めてフルネームで読んだ際「誰だ?」とページをさかのぼって確認しました。 杜夫については少し堅物キャラなのでしょうか?会話の際に文語体に寄った話し方だなと感じます。 ほかの女性キャラについては私も同性なので(確かにこういう友達いるいる!)と思えるような人物たちでした。


書き出し

書き出し 杜夫の語りから始まった書き出しはとても読みやすく、興味を惹かれるものでした。私にひきこもりの経験はありませんが子育て中で家にいることが多いので“ネットで世界と繋がる~”の描写に共感が持てました。 序盤 柳佐さんが佐賀県民だということで佐賀国というワードが出てきましたが私も佐賀県出身なので同郷意識でこの件は興味を惹かれました!このあと佐賀国を中心にひと波乱あるのか?どんな物語なんだろうとワクワクしました。 中盤 柚木有里香のエピソード10まで有里香のとんでもなく不幸な出来事等、すごく面白くて結構すらすらと読み進められました。しかし、私の中で太一というキャラがどうにも掴めませんでした。 頭が悪く相手の都合を考えず質問攻めにしてくると書いてありましたが太一の会話文が文語体寄りに感じられ、馬鹿で自分勝手な20歳過ぎの男というより発達障がいなどのハンディがあるのかなというような拙い会話ではないか?という印象です。


終盤・結末

終盤・結末 21~25の伊都奈のエピソードが(ここで杜夫と繋がるんだ!)という伏線の回収で面白かったのに最終的な結末で尻すぼみ感が否めなかったです。特にアサミとユーマの距離の縮まり方が少々強引に感じました。16.17の時点でも違和感を覚えましたがアサミをラストにもってくるほど重要人物のように感じられなかったです。 ラストの「誰からも好かれる」魔法についての答えを杜夫・ユーマそれぞれの解釈で締めくくった部分は素敵だと思います。


読むのをやめたくなった箇所1

15章太一との会話


省いたほうが良い箇所

佐賀国のくだり


伏線の使い方

0


読みやすさ・リズム

全体的には読み易く、前半部分はサクサク進めたのですが私には太一がイマイチ掴めず、佐賀国の部分も少しなんかいでその部分に関しては読みにくさがありました。


参考になりそうなお勧め書

本ではないですが山田ズーニーさんのおとなの小論文教室というコラム。日常の中でうまく言い表せない気持ちを巧みな比喩表現で解説してあります。小説って文字だけだからこそ読み手の好きなようにイメージを膨らますことが出来るのですが比喩表現が自分の中にストンと落ちてくる「あれ?これって私のことだ!」と思える文章に出会うとその物語を格段に楽しめると思います。ズーニーさんの様々な表現の仕方をぜひ覗いてみてください!


心に残った一文

『あり得ない』って決めるのは誰なんだろう。そんな事、決められる人間など存在しない。やろうと思った者が、やり遂げられるかどうかなのだ。


あなたはこの本をどんな人に勧めたいですか?

中・高生など人との関わり方に悩む時期の子どもたち


この本をより良くするためのアドバイス

前述しましたが「」会話文の口語体でナチュラルに。文字に起こして書くとやはり文語体に引っ張られてしまいますが「」内がナチュラルになると登場人物にも感情移入しやすくなると思います。 一人称の統一も必要だと思います。同じ会話の中で「俺」「僕」が混ざって出てくる箇所がいくつかありました。 話の方向性は十分に伝わる内容でしたので細かいディテールを足すことでより深みが増して読者に刺さるものに変化すると思います。


冗長

0


作家にメッセージ

今回この企画に落選したにも関わらず奇跡的に参加できてとても嬉しかったです。読み手として学ぶ事も多かったし、読書を仕事に出来る!そんな可能性を見出して企画してくださった柳佐さんに感謝してます。書店で柳佐凪先生の本に出会える日が早く来ますように?



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