1,12 ガチヨミ ~ガチの読書化が集うサイト~ TOP

書評

ユーザー名

user_name

作品名

sakuhin_name

評価


0 投げ銭:


  ★★★ 総合評価:
      星平均:
  ★★★ タイトル:
  ★★★ キャラクターの魅力:
      書き出し:
  ★★★ 中盤:
 ★★★★ 終盤・結末:
  ★★★ 読みやすさ・リズム:
   ★★ 文体の美しさ・描写力:
  ★★★ 感動(涙):

総評

柳佐さんの何よりの強みはストーリーを作る力、想像力だと思う。 このボリュームの話を、いろいろなキャラクターをからみあわせつつ伏線もはりつつ破綻させずに成立させられる。ファンタジーっぽい設定だけど最後の気づきの部分では主人公が地に足をつけて生きていく方法をみつける。主題やひとつひとつのエピソードなど面白かったと思います。 では、プロ作家としてデビューするのに足りないと思うものはというと、演出力と描写力だと感じた。ストーリーを構成するひとつひとつの要素にはきらりとひかるものもあると思うが、場面の順番・伏線をここぞという場所に配置するセンス・編集者・ディレクター的な力がついたらもっと面白くなりそうな気がする。


タイトル・あらすじ

タイトルに関しては作家さんの自由でOKだと思います。 このタイトルを見て抱いた感想は、「内容が端的に表れている」と、「誰から目線の問いかけ?」と、「ライトノベルっぽい」です。狙い通りでしたらそれでOKかと思います!


ストーリー・設定

誰からも好かれる魔法という主題は面白いと思いました。ただ、細かな設定で気になった部分はあります。例えば佐賀国の総理大臣の設定。柳佐さんの中ににはこの作品の外にももっとに広がっている世界観があって、その一部がこの小説に関わっているようなイメージで出てきたテーマなのかもしれませんが、よくわかりません。「ん?」と立ち止まってしまいます。全体のストーリーの中ではリサの人間的魅力(好きな男性のタイプ)くらいしか本筋とかかわりがないように見えたので、設定の必然性を感じなかった。佐賀国の話は突っ込みどころ満載なので、もし入れるのであればそれなりの説明も欲しい。でもそれだけの文字数を割くと多分作品のバランスが悪くなります。あと、杜生(ところどころ杜夫?)の引きこもりの設定・家族との確執についてはストーリーの中でうまく生きていたと思います。その部分に対してもっと丁寧に描くと、もっと主人公が生きてくると思いました。


キャラクターの魅力

主人公については、引きこもりになったきっかけ・家族との確執のエピソードをもう少し丁寧に描けばもっと内面が見えてきて魅力がアップすると思った。杜生の祖母と母の、それぞれのキャラクターをしっかり描写したうえで3者のかかわりのわかるエピソードを入れることで、杜生の魅力がももっと立体的になると思う。あと、イトナが杜生に惹かれたエピソードも、もう少し具体的な場面だといいと思う。 ユーマについては、優しくて友達想い(そして実は・・)な設定なのは伝わったが、なぜそんなに杜生を思うようになったかの裏付けが欲しかった。つまり、幼少期のエピソード(例えばユーマが孤立したとき杜生だけがかばってくれたとか)などが入るとよかった。


書き出し

最初のほうはちょっと畳みかけるように情報が多くて、つっこみどころ満載でついていけなかった。引きこもり・佐賀国・魔法使い・・・といろんなエッセンスが一気に登場し、設定説明が続く。ごちゃごちゃしている印象。魔法に関してはすべてユーマの口から説明されるのだが、ちょっと要素が多いように感じた。個人的には、ルールの2と3はいらないのではないかと思った。「2魔法使いになったものに魔法が効かない」はセリフの中でさらっと伝えればいいし、「3理想の人物を超えると魔法が解ける」はもっと後出しのほうがストーリーとして効いてくるんじゃないかと思った。(例えば、中盤くらいで魔法の負の部分に気付き始めた杜生がユーマに魔法を解いてほしいとお願いして、ユーマに「理想の人物を超えるまでは解けない」と言われ絶望するとか?) 中盤、次々と女子が登場し、それぞれの環境や立場の違いがしっかりと描かれていたし、一つ一つのエピソードに学びがあって主人公が気づきを得たり成長していく構成がよくできていたと思う。


終盤・結末

終盤面白かった!伏線の回収のテンポも、フィナーレに向けて畳みかけてくるリズムでいいなと思った。(終盤に情報量多いのは個人的に好きです)


読むのをやめたくなった箇所1

読みやすかったので特にないですが、しいて言えば序盤。設定が少しごちゃごちゃしてるかなと感じたあたり。


省いたほうが良い箇所

佐賀国の設定、牛の悪魔。


伏線の使い方

ユーマが3人に魔法を使っていたこと、杜生のことが好きだったこと、など最後に種明かしが続くあたりは気持ちよかった。伏線の仕掛け→回収の流れについて。大体の仕掛けは①序盤にあって終盤に回収か、もしくは②終盤に仕掛けてすぐ回収が来るか、というパターンに感じたので仕掛けの部分を話のいろんな個所にちりばめてほしいなと感じた。


読みやすさ・リズム

読みやすいです。難解なところもないです。


参考になりそうなお勧め書

私の好きな作家三浦しをんさんの小説は、登場人物がみんな魅力的で描写力も最高だと思ってます。おすすめは「舟を編む」(辞書編集部の話)と「風が強く吹いている」(弱小大学が箱根駅伝に出る話)です。


心に残った一文

理想の人は欠けたハートの形。いいラストでした。


あなたはこの本をどんな人に勧めたいですか?

もちろん読書部のメンバーに。あと、人への理想を高く求めすぎる人にも。


この本をより良くするためのアドバイス

【編集力】作家→編集者の目線に切り替えて場面の組み換えや削除を行うこと。いらない部分はバッサリと捨てる勇気も必要だと思う。ストーリーを考えるときは作家脳、めちゃくちゃ妄想を膨らませて壮大な世界をつくり、細部まで設定を作りこみ、勢いで書きあげた後には一転、編集者脳に切り替え、バッサリ捨てる。私の好きな作家の有川浩さんは、めちゃくちゃ調べて、ほとんど捨てるっていつか言っていました。自分で設定やストーリーを考え抜いた過程があれば、最終的にそのシーンを削ったとしてもそれは世界観の裏付けやお話を包む雰囲気となって、小説全体に深みをもたらしてくれるはず! 【描写力】描写力を磨くためにはいい小説を音読・模写するのがいいと思う。普段読まない本に手を出してみるのもいいかも。時間はかかると思いますが。


冗長

おばあちゃんには泣かせてほしかったかも。


作家にメッセージ

今回は素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!感謝です。好き勝手に生意気なことを書いてしまいましたが、柳佐さんのプロデビューへの道を少しでも後押し出来たらうれしいです。自分としても、どんなところを重視して小説を読んでいるのか自己再認識できました。(うまく表現でき切れてなくて支離滅裂になってたらすみません。書評家一年生精進します!) 今後の作品・第二弾書評企画にも期待しています!



Copyright - ガチヨミ ~ガチの読書化が集うサイト~, 2018 All Rights Reserved.