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書評

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作品名

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評価


0 投げ銭:


   ★★ 総合評価:
      星平均:
   ★★ タイトル:
   ★★ キャラクターの魅力:
      書き出し:
    ★ 中盤:
   ★★ 終盤・結末:
  ★★★ 読みやすさ・リズム:
   ★★ 文体の美しさ・描写力:
    ★ 感動(涙):

総評

作品を作り上げるにあたり、「このエピソードは本当に必要なのか」「盛り上がってるのか」「設定に矛盾はないか」等、俯瞰的に考えることが必要なのではないかなと思いました。「絶対に書かなければ物語が成立しない」という話以外は書かない、ということを徹底する必要があるように思います。そうでないと物語が筋肉質にならず、説得力も欠いてしまいます。


タイトル・あらすじ

まず、少し厳し目につけました。これだけの作品を形にした事自体すごいことだと思います。 タイトルについて、中途半端に長く、キャッチーな単語なども含まれていないため印象に残りづらいと思いました。タイトルを長文にするスタイルの小説はたくさんありますが、それは読者に「いかにも」「このタイトルでないとだめ」と思わせる必然性、説得力があります。読み手に強いインパクトを残す物が多いです。現状のタイトルでは、印象に残らず、長文型のタイトルにする必然性も感じられません。 あらすじについてはそこまでの問題を感じませんでした。引きこもりの主人公が魔法にかかる→さまざまな女性と交際する→疑問を感じる→魔法がとけるという大きな流れについては良いと思います。


ストーリー・設定

誰からも好かれる魔法をかけられた主人公が本来の人格でない自分を好きになる女性たちを見て葛藤するというストーリーは良いと思います。ユーマが魔法使いになることを選択した理由についても納得感があります。ただ、主人公にかけられた魔法が解ける部分の過程にはいささか強引さがあるかなと。。「祖母の理想は祖父であり、その祖父を超えたから魔法が解けた」・・・しかし、魔法によって祖母の前に現れた主人公は祖母の理想の人物そのものであるはずで、「理想」を超えるというのは少し矛盾を抱えているような気がします。現状ですと「理想を超えたときに魔法がとける」という設定自体に無理があるのではないでしょうか。


キャラクターの魅力

キャラクターの魅力については少し弱いような気がします。主人公、ユーマはまだしも、他の女性キャラクターたちは読後、ほとんど印象に残っておりません。ギリギリで印象深いエピソードのメインヒロイン?だったまゆみ、ユーマと奇妙な連帯をみせたアサミがなんとか覚えている程度です。キャラクターをたたせる記述が少なく、また、キャラクターをたたせたところでそれを物語の展開に活かしきれていない(なぜこのエピソード・キャラクターが必要だったのか不明確なものが多すぎる)のが主な原因だと思います。


書き出し

書き出しに関しては、「ユーマが魔法使いであり、主人公に魔法をかける」物語のスタート部分までとてもスピーディに展開していったことから、非常にうまくかけていると思いました。 しかしながら、中盤以降は少しいただけない。物語の本題にたどり着いたあとはクライマックスに向けて、どんどん話を盛り上げて行かなければならないのにそれがない。一つ一つのエピソードの内容が薄く、それらのつながりも希薄。ひとつひとつのエピソードが主人公にとってどのような「変化」をもたらしたのか、あるいは「意味」があったのか不明確なものが多い印象です。故に話が盛り上がらない。 「永遠の0」というベストセラー作品も似たような構造で話が展開していったと思いますが(主人公の祖父がどのような人物であったのか、さまざまな人間が証言し、その死の真相が物語の終盤付近で明かされる)あれはさまざまな別角度の人物の視点を紹介することで主人公祖父のキャラクターに深みを与えていることに成功しています。エピソードもいわゆる「かぶる」ものはなく、そのすべてに意味がある。しかもそれぞれが独立したエピソードになっているのではなく有機的に連結し、怒涛のラストに向けて合流していく、といった点で凄みがありました。


終盤・結末

祖母が事故にあったことがきっかけで魔法がとける、そしてユーマが主人公のことを好きであったことがほのめかされ物語が終わるという感じですが、やはりそれまでのエピソードとのつながりが希薄すぎてイマイチ盛り上がりに欠けます。主人公の葛藤が少ないまま、祖母の事故がきっかけで終盤に突入し、ラストを迎える、といった展開では今まで登場した女性たちは一体何のために存在していたのかがよくわからなくなります。主人公にはもっと葛藤し、苦しんでもらわないと物語のギャップが生まれません。故に感動もあまり起きない。ユーマが主人公のことを好きである伏線もあまりない。 劇的な要素もあまりありません。ユーマは主人公の前から姿を消す結末にしたほうが良かったのではないかなと思ってしまったりします。


読むのをやめたくなった箇所1

P7『四年の任期満了を待たず、内閣総辞職に伴う総選挙で、歴史的な総理大臣が誕生』 細かい話ですがこんなに長いタイトルの記事はありません(記事タイトルだという記述もないのでそれかどうかも判然としませんが)この部分でなんとなくですが、筆者の力量のようなものを推し量ることができてしまうかもしれません。


省いたほうが良い箇所

「冒頭部分(主人公が魔法にかかるまで」「白濱薫」関連、「まゆみ」関連「アサミ」関連、「エンディング」。これ以外のエピソードはすべて蛇足です。(というかそのエピソードに対して物語全体からみた「意味」を見出すことができませんでした)「冒頭部分」→プロローグ。「白濱薫」関連→魔法にかかったということを主人公が自覚。「まゆみ」関連→物語の加速。「アサミ関連→ユーマの謎の伏線。「エンディング」→エピローグ。 特に佐賀県独立のエピソードは積極的に省いたほうがいいように思います。インパクトの強い話材ですので、読者は惹きつけられます。物語の中核をになっていくのか、と思いきやほとんど本筋に絡まない展開はかなり意外でした。


伏線の使い方

伏線と呼べるものがあまり見いだせませんでした。強いて言えばユーマの気持ちくらいですが、これも伏線というよりは冒頭の話の種明かしをラストでしたといった具合のもので伏線と呼ぶのはちょっと、、といった感じです。


読みやすさ・リズム

話のテンポがよく、一つの話が簡潔でわかりやすいと思いました。ただ全体として表現上の冗句や不自然な記載、無駄なエピソードがかなり存在しており、その部分が読みやすさ・リズムを崩しています。


参考になりそうなお勧め書

「シナリオの基礎技術」「ハリウッド式脚本術」


心に残った一文

ユーマを好きになる女の子は、必ず僕に有効的だ。将を射んとすれば、まず馬を射よ


あなたはこの本をどんな人に勧めたいですか?

今のままでは少し勧められません。


この本をより良くするためのアドバイス

意味のないことは書かない。これは描写、エピソードすべてに当てはまります。「これいる?」という自問自答を常に繰り返しながら執筆していったほうが良いと思います。


冗長

やはりエピソード一つ一つに意味を感じられないため、物語が深まらない。主人公の葛藤や悩みが深まらない。ユーマの謎も深まらないといった感じで、物語全体が浅いものになってしまっている点です。


作家にメッセージ

私も小説を書いているので執筆の大変さは理解しています。そもそもひとつの作品を書き上げたということについて、尊敬いたしますし、すごいことだと思います。そしてその作品を広く公開し、感想を求めようとする姿勢も素晴らしいです。今回の企画を立ち上げたこともすごい。あとは頭をかきむしりながら、物語ひとつひとつのエピソードに深みを与えることが必要になってくると思います。頑張って欲しいと思います。



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